会津地方には伝統料理『こづゆ』があります。山の幸と海の幸を取り合わせた薄味仕立ての汁煮で、江戸時代後期から明治初期にかけて会津藩の武家料理や庶民のごちそうとして広まり、正月や祭り・冠婚葬祭など特別な日のおもてなし料理として食べられてきました。
四方を山に囲まれた会津盆地では海の物は手に入りにくいため、保存のきく干し貝柱を利用し、焼き麩を小さく丸くした豆麩、里芋、しらたき、キクラゲなどの具を入れていました。当時にしては贅沢な食べ物だったにも関わらず、何杯おかわりしても失礼にならないという習慣があり、まさに「最高のおもてなしをしたい」という人情味豊かな会津人の心を垣間見ることができる料理です。
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